
2025年5月、ITmediaが報じたあるAI搭載スマートウォッチの研究成果が、静かにネット上で注目を集めている。それは、会話中に相手の“虚偽”をリアルタイムで見抜き、こっそりユーザーに知らせてくれるという新技術だ。
この技術を開発したのは、ニュージーランドのオークランド大学とシンガポール国立大学の研究チーム。音声、心拍数、皮膚電気反応といった生体データをAIが解析し、「相手がウソをついているかもしれない」と判断した瞬間、スマートウォッチがユーザーに振動などの非侵襲的な方法で通知してくれる。
ここで誰もが想像したに違いない。
「これ、トランプに使ったらどうなる?」
スマートウォッチ、止まらぬ振動?
トランプといえば、豪快なスピーチと物議を醸す発言で世界中を沸かせてきた人物。ファクトチェックの対象となることもしばしばで、在任中には「ポリグラフ(嘘発見器)があったら…」と冗談めかして語られることもあった。
そんな彼のスピーチ会場にこのスマートウォッチを装備したAIリスナーがいたらどうなるのか。おそらく、ウォッチは振動しっぱなし、バッテリーがもたないのではないか、というジョークがネットで飛び交うのも無理はない。
倫理的ジレンマと未来の「真実」
もちろん、これは単なる冗談にとどまらない。こうした「ウソ検知型AI」の実用化は、面接、ビジネス交渉、司法、教育、恋愛といったさまざまな場面での活用が見込まれている。一方で、「相手の発言をAIが判定する」こと自体が、プライバシーや倫理の新たな論点を生む。
たとえば、AIの誤検出によって信頼関係が崩れる、AIに頼りすぎて人間の判断力が鈍る、といった懸念もある。
研究チームも、今後の実用化に向けては社会的受容性とガイドラインの整備が不可欠だとしている。
トランプとAI、その関係は
AIがトランプ氏の発言を逐一「判定」するような未来が来るかどうかはわからない。だが、もしも「事実を補足するAI」と「独自の真実を語る元大統領」が対峙する時代が来れば、それは新たな情報戦の幕開けなのかもしれない。
一つだけ確かなのは――
このスマートウォッチ、討論番組の現場や国会でも役立ちそうだ。