2025年1月、ラスベガスで開催されるCES 2025にて、LGエレクトロニクスは最新の「gram」シリーズを初公開する予定です。この新型ノートPCは、オンデバイスAIとクラウドAIを組み合わせた「ハイブリッドAI」技術を搭載し、AI時代をリードする革新のデバイスとして注目されています。日本での発売も期待され、AI技術の進化に対応する最新モデルが、ユーザーの期待を集めています。
32GBメモリ搭載で進化した「gram Pro」シリーズ
新型「gram」シリーズの目玉の一つは、従来の限界を超えた32GBのLPDDR5Xメモリを採用した「gram Pro」と「gram Pro 2-in-1」です。この進化は、生成AIや複数アプリケーションを並行して使用するユーザーにとって、大きなメリットをもたらします。
例えば、ブラウザで多数のタブを開きながら、高負荷の画像編集やAIツールを使用するシチュエーションでも、32GBのメモリがあればストレスなく作業を進められます。また、次世代インテルプロセッサ「Core Ultra Hシリーズ」と「Vシリーズ」に対応し、処理性能の向上も期待されます。
生成AIツールがPCの役割を変える:メモリの重要性が急上昇
生成AI技術を搭載したPCの登場により、PCメモリの重要性がこれまで以上に注目されています。例えば、「Copilot+ PC」はAIを活用したツールを幅広く提供し、ユーザーの作業効率を劇的に向上させることを目指しています。この中でも特に、「Image Creator」や「Restyle Image」といった画像生成ツール、「Cocreator」のようなコラボレーション支援機能は、AI専用のプロセッサ(NPUやGPU)を活用するため、システム全体のメモリ消費が大幅に増加する傾向があります。
実際の使用状況:
- PC起動直後のメモリ消費は約5.6GB
- 生成AIツールを稼働すると、消費量が8GBを超える
- TeamsやExcelなど一般アプリと併用すると、15GB以上に到達するケースも
このような状況下では、16GBメモリ搭載のPCでは不足が懸念され、32GBメモリ搭載のPCが現実的な選択肢となります。
ローカルAI時代を見据えたPC選び
さらに、ローカルで動作する小規模な言語モデル「Phi-Silica」のようなAIツールが普及すれば、メモリ需要はさらに高まると予測されています。これらのモデルだけでも1.5GB~2GBのメモリを消費するため、16GBメモリでは限界に達する場面が増える可能性があります。
将来を見据えたメモリ選びが鍵
ノートPCにおいて、メモリは基盤に直付けされていることが多く、購入後の増設が難しいのが現状です。そのため、生成AIやAI支援ツールを積極的に活用する予定がある場合、32GBメモリ搭載のモデルを選択することが、長期的に見て賢明な判断となるでしょう。