
2025年7月1日、KDDIは訪日外国人向けのeSIM「povo2.0 Japan SIM」を全国のローソンで提供開始すると発表した。日本全国約1万4600店舗の流通網を使い、外国人観光客がコンビニで現金購入できるeSIMを売る——表向きは「利便性」の追求に見えるが、実態は情報弱者を狙った割高ビジネスであり、**観光立国・日本の評判を静かに蝕む“仕掛け”**ではなかろうか。
本当に「便利」なのか?
KDDIの説明によれば、povo2.0 Japan SIMは以下のような「魅力」を謳っている:
- スマホアプリ不要
- eSIMだからSIMカード不要
- 購入後、オンライン手続きだけで最短3分で開通
- 全国のローソンで現金購入可能
しかし、この仕組みは裏を返せばこういうことでもある:
- eSIM非対応端末では使用できない(=が、どこにも大きく書いてない)
- 現金払いのみ(=クレジットカードやポイントは使えない)
- 価格は競合サービスより1.5〜2倍高い
- 返金不可・サポート実質皆無
なぜ「ローソン限定・現金払い」なのか?
通常のeSIMなら、AiraloやUbigiといったサービスでオンライン購入すれば、3GBで1,000円前後、10GBでも2,500円以下が一般的だ。
しかしpovo2.0 Japan SIMは:
- 3GB(7日間):2,200円
- 10GB(30日間):3,280円
- 25GB(30日間):4,580円
- 無制限(7日間):4,500円
どれも明らかに相場より割高である。
使えなかったら?泣き寝入りです
eSIM非対応端末は、世界にはまだ数多く存在する。特にアジアや中南米のローエンドモデルでは対応していないケースが多い。しかし、ローソンの店頭でこれを確認できる仕組みはない。
QRコードを受け取って、自分のスマホにインストールしようとして使えなかった——その時点で**返金も返品もできず、サポートも「自己責任」となる。
「日本に来て最初に経験したのが“使えないeSIM”だった」
「店員も通信会社も誰も助けてくれなかった」
そんな口コミがSNSやRedditに溢れる日は、遠くない。
これは「観光立国」への裏切りでは?
日本政府は2030年までに訪日外国人を6,000万人に増やすという大目標を掲げている。だが、空港で高いSIMを売り、コンビニで“使えないeSIM”を売り、サポートも返金もなしでは、「観光立国」どころか「観光罠国家」と呼ばれかねない。
一部の企業が短期的に利益を上げるために、訪日外国人の信頼と日本ブランド全体の評価を食いつぶす。これはまさに**「国益を食うビジネス」**である。
KDDIよ、日本の顔であることを忘れるな
KDDIは、単なる民間通信事業者ではない。災害時の情報インフラ、行政のパートナー、地方創生の通信支援など、日本の公的機能と密接に結びつく立場にある。
そんな企業が、情報弱者向けに仕掛けた売り逃げビジネスモデルで外国人旅行者を失望させることは、単なる「商売の自由」では済まされない。
KDDIよ。
あなたのそのビジネスモデル、短期的な利益のために日本の信頼を削り取っていないか?