中国広州の中山大学(Sun Yat-sen University、SYSU)が11月11日、創立100周年を記念して「世界大学学長フォーラム(Global Forum of University Presidents)」を開催しました。このフォーラムには、世界中から大学学長や一流の学者、研究者が集まり、高等教育における人工知能(AI)の影響をテーマに、未来の教育と研究の在り方について議論が行われました。
AIと高等教育:機会と課題の議論
中山大学は2020年に人工知能学院を設立し、AI技術の教育や研究への応用を積極的に進めてきました。本フォーラムでは、「機会と課題:高等教育における人工知能の影響」というサブテーマのもと、AIが教育と研究にもたらす可能性や直面する課題について議論が展開されました。議題の中心となったのは以下の内容です:
- 教育の革新: AIによる個別化学習の推進や教育の質の向上、教師と学生の協働モデルの構築。
- 研究の発展: AIを活用したデータ解析や異分野連携による研究活動の強化。
- 倫理的課題: AIによる教育格差拡大のリスク、データプライバシー、AI活用の透明性と公平性の確保。
これらのテーマは、AI技術が教育と研究をどのように変革し得るのかを具体的に示しつつ、その実現には国際的な協力が必要不可欠であることを浮き彫りにしました。
世界の著名な学者による基調講演
フォーラムでは、世界中の著名な学者やリーダーたちが基調講演を行い、高等教育とAIの未来についての考えを共有しました。主な登壇者には以下の方々が含まれます:
- ノーベル化学賞受賞者のジャン=マリー・レーン(Jean-Marie Lehn)教授
- 米国大学カレッジ協会(AAC&U)のLynn Pasquerella会長
- 京都大学理事・副学長の北川進特別教授
- マギル大学(McGill University、MU)副学長のAnja Geitmann教授
- ロレーヌ大学(University of Lorraine)学長のHélène Boulanger教授
- 香港中文大学副学長のRocky S. Tuan教授
- 清華大学(Tsinghua University)の李路明学長