Rakuten Linkは、楽天モバイルの無料通話を利用するために必須のアプリです。しかし、その進化の過程で多くのユーザーが疑問を抱く仕様変更が行われました。このアプリの方向性について、改めて検証してみましょう。
過去の便利さが失われた経緯
初期のRakuten Linkでは、楽天モバイルのSIMが端末に挿入されていなくても、SMS認証さえ通れば他のキャリア回線のスマホから通話やメッセージ機能を利用できるという革新的な仕様でした。しかし、バージョン2.2以降のアップデートでこの仕様が変更され、楽天モバイルのSIMが必須となりました。この改悪は、ユーザーにとって大きな利便性の低下を招きました。
基本的な通話アプリ機能の欠如
Rakuten Linkは、通話アプリとして必須の以下の機能を未だに提供していません:
- 迷惑電話対策機能(Google Pixelの通話スクリーニングのような機能)
- Google Pixelには、AIが着信時に通話をスクリーニングし、迷惑電話を防ぐ機能があります。しかし、Rakuten Linkにはこのような機能がなく、迷惑電話がかかり放題の状態です。
- 通話録音機能
- ビジネス用途でも便利な通話録音機能が標準搭載されていないため、ユーザーが外部アプリに頼らざるを得ません。
- テキスト通話機能(Galaxyの「テキスト通話」機能のようなもの)
- SamsungのGalaxyスマートフォンには、通話をリアルタイムでテキストに変換する「テキスト通話」機能があります。これにより、周囲の環境に関わらず、音声通話がテキストで確認できる便利さがありますが、Rakuten Linkにはこのような機能がありません。
- リアルタイム翻訳機能(Galaxyの「リアルタイム翻訳」機能のようなもの)
- Galaxyの最新機能では、通話中にリアルタイムで翻訳を行い、異なる言語間でもスムーズに会話ができる機能が搭載されています。しかし、Rakuten Linkでは海外通話が無料でできる利点はあるものの、言語の壁を越える機能が不足しています。
これらの機能が不足しているため、多くのユーザーは普段Rakuten Linkをログアウトし、発信時のみログインするという運用を余儀なくされています。また、迷惑電話が入り放題という点は、NetGuardなどのアプリで回避可能ではありますが、それでも煩わしさは残ります。
Rakuten Link AIの登場も期待外れ?
2024年10月31日から「Rakuten最強プラン」の契約者向けに提供が開始された「Rakuten Link AI」は、AIチャット形式でのサポート機能をうたっています。しかし、以下の問題点が指摘されています:
- 精度の低さ:道案内機能で誤案内されるなど、信頼性に欠ける。
- PC版非対応:スマートフォンに限定された仕様では、多用途での利用が難しい。
これらの問題により、AI機能は有用性に乏しく、「使う気にならない」という声もあります。
方向性の見直しが必要では?
楽天モバイルにとって、Rakuten Linkは競争力を高める重要なツールであるはずです。しかし、ユーザー視点では以下の点が改善されなければ、魅力は大幅に低下したままです:
- Google Pixelの通話スクリーニングのような迷惑電話対策機能の導入
- AIが着信時に自動応答し、迷惑電話をフィルタリングする機能があれば、多くのユーザーが安心して利用できるようになります。
- 通話録音機能の実装
- 通話録音機能があれば、ビジネス用途でも活用しやすくなり、より多くのユーザーに支持されるでしょう。
- Galaxyの「テキスト通話」機能のようなAI音声変換機能の追加
- 通話内容をリアルタイムでテキスト化できれば、騒音環境下でもスムーズに会話が可能になります。
- Galaxyの「リアルタイム翻訳」機能のような多言語対応機能
- Rakuten Linkが海外無料通話を売りにするのであれば、リアルタイム翻訳機能があることで、より多くのユーザーに支持される可能性があります。
これらの機能が充実すれば、有料アプリであっても利用したいというユーザーもいるでしょう。Rakuten Linkが「通話アプリ」として本来の役割を果たすために、方向性の再考を強く求めたいところです。
楽天モバイルさん、果たして今のRakuten Linkは正しい道を歩んでいるのでしょうか?競合他社との差別化を図るためにも、ユーザーが求める基本機能の充実を期待しています。