楽天モバイルが注力していた生成AIサービス「Rakuten Link AI」が、iOS版アプリで突然の提供停止となったことが判明しました。リニューアル版「Rakuten Link」アプリ(v3.0.0)は10月31日に発表され、11月6日にはiOS版がリリースされたばかりですが、翌日のアップデート(v3.0.1)で「Rakuten Link AI」機能は一時停止されるという予想外の展開に。確かにAIたろうのiPhoneでは、「Rakuten Link AI」アプリ(v3.0.1)のトップ画面で、「AI」ボタンが消えてしまっています。楽天モバイルより、再提供は次のバージョンで「順次」とされていますが、提供時期は不明です。
一方、Android版ユーザーにも困惑が広がってると思われます。楽天モバイルは、Android版でも「Rakuten Link AI」を順次提供する予定としていますが、AIたろうの環境では、アプリバージョンは2.19.2のままで、最終更新日も2024年10月23日のまま。新機能がいつ正式に使えるかについては、楽天モバイルからの明確な案内は出ていません。
「Rakuten Link」の制約と疑問点
楽天モバイルの「Rakuten Link」アプリには、迷惑電話対策や通話録音、Pixelの通話スクリーニング機能といった便利な機能が搭載されておらず、日常利用には制約がある点もユーザーにとって不満の要因です。特に、Android版であれば、「Rakuten Link」を立ち上がると、発信も着信も「Rakuten Link」経由になるから、「Rakuten Link AI」機能を使っている途中で詐欺電話がかかってきた場合のリスクを考えると、その実用性には疑問が残るという声も聞かれます。実際、日常的にAndroid版「Rakuten Link」を使用しているユーザーの中には、必要時にのみログインするという使い方を選んでいる人もいます。
さらに、現時点で「Rakuten Link AI」はPC版や法人向けの「Rakuten Link Office」シリーズには対応しておらず、提供対象はモバイル版のみです。これにより、法人利用は期待しませんが、少なくてもPCでの活用をしたいユーザーにとっては、制約が多く使い勝手が限られてしまっています。
利用制限が設定された「Rakuten Link AI」
また、「Rakuten Link AI」には1日のチャット回数が50回、1回あたりの文字数制限が500文字という制約があります。この制限によって、当初発表された「旅行や学習計画のサポート」といった多用途な利用には不向きとなっており、三木谷浩史氏が掲げた「新しいコミュニケーション体験」のビジョンに届くかは疑問が残ります。
まとめ
楽天モバイルは、AI技術を用いた新しいコミュニケーション体験を提供することが期待されていましたが、提供の遅延や不安定な対応により、ユーザーの期待が失望へと変わりつつあります。今後、ユーザーの信頼を取り戻すためには、楽天モバイルの迅速で安定した対応が求められています。