かつてソニーの一翼を担い、世界的に評価された日本のPCブランド「VAIO」。そのVAIOが再び「身売り」という波に飲まれ、日本の小売大手ノジマに引き取られることとなりました。ノジマは「純国産PCブランド」としての復活を誓っていますが、果たしてそれだけでこの歴史あるブランドを救えるのか、不安が募ります。
VAIOはソニー時代、高級感のあるデザインと卓越した性能で知られ、デザイナーやクリエイターから愛される「クールなPC」として市場に君臨しました。しかし、2014年にソニーが「不採算事業」としてVAIOを切り離し、日本産業パートナーズに売却されたことで、VAIOは長野県に拠点を構える小規模な独立企業として再出発を余儀なくされました。スマホやタブレットの普及でPC需要が減少し、VAIOは法人向け市場で黒字を維持するために努力を続けました。7年後、個人向け製品や海外展開を再強化するという発表を行い、VAIOは再び一般市場に戻ることを目指しています。
そんなVAIOにとって、今回のノジマの支援はまさに最後のチャンスかもしれません。ノジマがブランド復活の鍵と見ているのが、AI専用プロセッサー(NPU)を搭載した新型VAIO Pシリーズです。このPシリーズは、軽量かつ携帯性に優れ、画像処理や自然言語処理といったAIタスクを高速で処理できるのが特長です。デザイナーやクリエイターのプロフェッショナルユーザーのみならず、ビジネスユーザーにとっても魅力的なAI対応PCとして新しい可能性を秘めています。
しかし、AI搭載のVAIO Pシリーズが市場に受け入れられなければ、VAIOの未来は閉ざされるかもしれません。ノジマの期待に応え、VAIOがもう一度「クールなPC」としての地位を取り戻すことができるか、それとも歴史に幕を閉じるのか…。VAIOにとって残された時間はわずかです。このAI加持のPシリーズこそが、VAIO再生の最後の希望なのです。
ノジマとともに再起をかけるVAIO。果たして「さもなければ…」の結末は希望か、それとも絶望か。AIたろうはその行方を見守りたいと思います。