ドイツ発の言語AI企業DeepLは、ベルリン現地時間11月13日、同社初のリアルタイム音声翻訳ソリューション「DeepL Voice」を発表しました。この画期的なソリューションは、ベルリンで開催された同社の旗艦イベント「DeepL Dialogues」で公開され、会場の参加者は実際のデモンストレーションを体験する機会を得ました。
「DeepL Voice」とは?
DeepL Voiceは、異なる言語を話す人々がリアルタイムでコミュニケーションできるよう設計された音声翻訳ツールで、以下の2つのモデルを提供します。
- DeepL Voice for Meetings: オンライン会議に特化したモデルで、参加者全員が好みの言語で発言し、それをリアルタイムで翻訳されたキャプションとして他の参加者に届けます。これにより、国際会議での言語の壁を大幅に低減します。
- DeepL Voice for Conversations: 対面での1対1の会話に対応するモデルで、モバイルデバイスを使用して音声をキャプション化し、翻訳内容を視覚的に表示します。これにより、日常的な会話やビジネスシーンでもスムーズな意思疎通が可能になります。
対応言語
現在、音声入力には英語、ドイツ語、日本語、韓国語を含む13言語が対応しており、翻訳されたキャプションはDeepLがサポートする33言語すべてで利用可能です。今後さらに対応言語を拡大予定とのことです。
発表イベントのハイライト
「DeepL Dialogues」では、同社CEOのクテロフスキー氏が、「リアルタイム音声翻訳は、我々にとって新たな挑戦だが、言語の壁を乗り越える技術を提供できることを誇りに思う」と語りました。また、ベータ版ユーザーとして登壇したBrioche Pasquierの国際化コーディネーター、クリスティーン・オーブリー氏は、「DeepL Voiceの導入により、チームの連携が大幅に向上し、国際プロジェクトがスムーズに進むようになった」とその効果を強調しました。
日本での利用について
DeepL Voiceは、日本からも利用可能です。ただし、現時点では法人利用に限定されており、個人ユーザーには提供されていません。この点は、多くの個人ユーザーにとって痛恨の極みと言えるでしょう。特に国際的な個人コミュニケーションを求める人々にとって、この制限は大きな課題となっています。