中国通信大手、中国聯通と同じく中国に本社を構える通信機器メーカーのファーウェイは、2024年11月23日、北京で世界初となる大規模統合型5G-Advancedインテリジェントネットワークの展開を発表しました。このネットワークは、北京市内のさまざまな施設やエリアで次世代の通信体験を提供し、特に北京工人体育場や万里の長城景勝地といった象徴的な場所で実証を進めています。
AI活用による効率的な運用
中国聯通は、AIを活用した自動化プロセスを通じて、5G-Advancedネットワークの設置や最適化を数分で完了可能とし、従来の運用課題を大幅に改善し、ユーザー体験の向上だけでなく、ネットワーク運用の効率化やセキュリティ強化も実現しているとしています。
北京全域に広がる5G-Advancedのカバレッジ
発表によると、両社は、北京の主要エリアにおいて超大規模な5G-Advancedネットワークを構築しました。このネットワークは、スタジアム、学校、地下鉄駅、商業地区など多岐にわたる施設をカバーしており、北京市行政センター周辺では5Gの完全カバレッジと85%の5G-Advancedカバレッジを実現しています。これにより、没入型ビデオや超高精細(UHD)のライブストリーミング、クラウドゲーミングなどの高負荷なサービスにも対応可能となりました。
さらに、従来の公衆電話を改修し、5G-Advancedネットワークに接続することで、緊急通報や配車サービスがワンクリックで利用可能になるなど、市民の日常生活にも革新をもたらしています。
イベント時に最大6万8,000人の観客が同時にスムーズに動画を視聴できる
工人体育場では、10ギガビットの5G-Advancedネットワークを導入し、イベント時に最大6万8,000人の観客が同時にスムーズに動画を視聴できる環境を提供しました。同スタジアム内でのテストでは、ダウンリンク速度が11.2Gbps、アップリンク速度が4Gbpsに達し、拡張現実(AR)やモノのインターネット(IoT)などの次世代技術における可能性も示されています。
低空経済への貢献
また、北京市延慶区の万里の長城景勝地では、低空経済イノベーション基地を設立し、地上と低空(高度300メートル以下)の統合ネットワークカバレッジを実現しました。これにより、観光産業や緊急救助、物流など幅広い分野での応用を期待するとしています。