デジタル時代に私たちの生活はどう変わる?AIが普及し、テクノロジーが急速に進化する中、経済協力開発機構(OECD)とアメリカのテクノロジー企業シスコが、新たな視点を提供しようとしています。11月5日、両者は「デジタル・ウェルビーイング・ハブ」というプラットフォームを立ち上げ、私たちの「デジタル時代の幸福」についての理解を深める研究をスタートさせました。
このハブでは、デジタル技術が私たちの幸福や心の健康にどう影響しているのか、AI時代のデジタル生活が実際にどんなリスクとメリットをもたらすのかを明らかにしようとしています。特に、AIの活用やデジタルスキル、サイバーセーフティ、社会的つながり、気候意識など、日々の生活に関わる多くの要素がどのように関係し合っているかを詳しく調査する予定です。
実は、OECD加盟国の約4割の成人が、基本的なデジタルスキルを持たないと言われています。そのため、オンラインでのプライバシーの扱いや、メンタルヘルスに関する問題に対応できるかどうかが課題となっているのです。また、AIを使ったデータ収集が公平であるかに不安を感じる人も多いと言います。このような声を集めて、OECDはデジタル技術が人々の幸福や生活満足度にどのように影響しているのかを研究し、よりよい政策立案につなげていきたいと考えています。
さらに、デジタル・ウェルビーイング・ハブは、インターネットにアクセスできない2.6億人もの人々にとっても大切なステップとなります。OECDとシスコは、アクセスの格差を縮めることが、全ての人がデジタル社会に参加し、恩恵を受けるための重要な要素だと強調しています。