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- 信頼性と剥がしやすさを両立:跡を残さず、必要なときに正確に剥がせる次世代の接着ソリューション
- アジア太平洋での協業を加速:A*STARとの連携による地域に根差したイノベーション・ハブ
- 循環型経済の実現に貢献:「必要なときに剥がせる」技術で、リサイクルや再利用の新たな可能性を創出
シンガポール、2025年7月7日 /PRNewswire/ — 粘着テープおよび接着ソリューションの国際的メーカーである tesa SE(テサ)は、シンガポールに最先端の技術研究所「オンデマンド剥離(必要なときにきれいに剥がせる)ラボ」を新設しました。この新たなイノベーション拠点は、テサのグローバル技術ネットワークの一翼を担い、とくに自動車業界およびエレクトロニクス業界向けに、再剥離可能な接着ソリューションの開発とスケールアップを推進していきます。
テサの技術担当取締役 イングリッド・セバルト博士が革新的な接着技術によるイノベーション創出と持続可能性の推進について講演する様子(写真提供:tesa tape Asia Pacific Pte. Ltd.)
この研究所の開設は、シンガポールの主要研究機関である A*STAR(シンガポール科学技術研究庁) との戦略的パートナーシップのもと、テサの研究開発力と現地の産業ネットワークを融合し、実用的なソリューションの迅速な市場投入を目指すものです。
シンガポールを選んだ理由:テサのアジア戦略とA*STARとの連携
今回の投資先としてシンガポールが選ばれた理由は、同国にアジアの主要拠点を構えていることやイノベーションを促進する政策環境、一流大学との距離の近さ、そしてA*STARとの連携の可能性などが挙げられます。新設された研究所はベトナム、タイ、インドの拠点と連携し、テサのアジア太平洋地域における存在感をさらに強化します。
テサは毎年、売上の約6%を新製品・新技術の研究開発に投資しており、年間約100件の技術革新を実現。接着技術のリーディングカンパニーとして、さらなる高みを目指しています。
CEOコメント:接着技術による循環型社会の実現へ
tesa SE CEOのノーマン・ゴールドバーグ博士 は次のように述べています。
「テサは、単なるイノベーションにとどまらず、その限界を押し広げています。当社の『オンデマンド剥離技術』は、必要なときに簡単に、しかもきれいに剥がせるという特長をもちながら、強力な接着力と耐久性も兼ね備えた画期的な技術です。
この技術は製品の修理や再利用、リサイクルの可能性を飛躍的に高め、業界が性能を犠牲にすることなく廃棄物削減と循環性を両立できる未来を拓きます。A*STARのような強力なパートナーとともに、新しい研究拠点を立ち上げられたことを大変嬉しく思います。」
持続可能な設計を支える、革新的な接着技術
オンデマンド剥離技術は、修理やリサイクルを前提とした製品設計を可能にし、サステナブルな未来への要となる技術です。
テサの技術担当取締役イングリッド・セバルト博士 は次のように語ります:
「我々の技術は製品設計へのアプローチを刷新し、製品設計・接着工程の段階から、持続可能性を組み込むアプローチを可能にします。シンガポールという活気ある環境に新設された研究拠点は、世界市場に向けてこの技術を広げてゆくための理想的な出発点です。」
A*STARコメント:接着技術の産業応用を加速する官民連携
A*STAR理工学研究評議会 副評議員長(ACE) Lim Keng Hui教授 は次のように述べています:
「私たちはテサと提携し、持続可能性や循環型設計の可能性を広げる高度な接着技術の開発に携われることを光栄に思います。今回の連携は、次世代の製造業に貢献するという私たちのビジョンを具現化する重要なステップです。」
今後の展望:最大20件の新たな技術コンセプトを検証予定
テサは今後、ポリマー設計や粘着剤の配合、塗工技術における革新的な進歩を進めるとともに、最大20種類の新規技術コンセプトのテストを予定しています。評価の高いものについては、顧客要件に基づいた開発・スケールアップが行われる予定です。
本研究所は2025年7月1日より、エンジニア・技術者などの専門チームとともに運用を開始。今後、チーム規模も拡大していく見込みです。
tesa SEについて
tesa SE(本社:ドイツ・ノイムンスタ―) は、産業・商業・消費者向けに革新的な粘着テープおよび接着ソリューションを提供するグローバル企業です。現在7,000種類以上の製品を展開し、特に電気自動車やスマートフォン向けには1台あたり数十~100本以上のテープが使用されており、製品の高機能化や小型化に貢献しています。
同社の売上の約4分の3(2024年:約17億ユーロ)は産業用途から生み出されており、環境配慮型の製造や再生可能エネルギーの活用にも積極的に取り組んでいます。テサはBeiersdorf AG(NIVEAなど)傘下で独立運営されており、全世界で約5,400人の従業員を擁しています。
A*STAR(シンガポール科学技術研究庁)について
A*STARは、シンガポールの主要な公共研究機関として、科学とテクノロジーを通じて社会や経済に貢献することを使命としています。バイオメディカルから工学分野に至るまで、研究成果を産業界と結びつけることで雇用創出や社会的課題の解決にも寄与しています。