世界最大級のテクノロジー展示会 CES 2026 が6日、米国ネバダ州ラスベガスで開幕した。今年のCESを一言で表すなら、「AIの現場投入」だ。
話題性やデモ中心だった時代は終わり、AIが実際に仕事をし、判断し、動く存在として展示の中心に据えられている。
主催は米国の業界団体Consumer Technology Association(CTA)。会期は1月6日から9日まで。13会場、延べ約260万平方フィートという過去最大級の規模で、世界中の企業、スタートアップ、政策関係者、投資家、メディアが集結した。
AIは「一分野」ではなく、全体を貫く軸
今年のCESで特徴的なのは、AIが特定の展示ゾーンに閉じ込められていない点だ。
ロボティクス、モビリティ、製造、エネルギー、医療、エンタープライズ。
どの分野でも共通して問われているのは、**「AIをどう使うか」**という現実的なテーマである。
特に目立つのが、AIエージェントやデバイス上で動作するAI、デジタルツインといった概念だ。
AIが人の指示を待つのではなく、状況を理解し、自ら判断して動く存在として設計され始めている。
ロボットは“見せ物”から“労働力”へ
ロボティクス分野では、派手なパフォーマンスよりも、実務を意識した展示が増えた。
倉庫、飲食、農業、家庭内支援といった具体的な現場を想定し、AIによる認識・判断能力を組み込んだロボットが並ぶ。
目的は明確だ。
人を驚かせることではなく、人の代わりに働くこと。
デジタルヘルスは「常時AI」が前提に
医療・健康分野でもAIの存在感は大きい。
ウェアラブル機器や遠隔医療は、単なるデータ収集から一歩進み、AIが継続的に健康状態を分析し、異常の兆しを早期に捉える方向へ進化している。
高齢化や医療人材不足を背景に、AIによる常時モニタリングが現実的な解決策として提示されている。
AI拡大の裏側で浮かぶ「エネルギー問題」
一方で、AIの本格普及が新たな課題も浮き彫りにした。
それが、電力とエネルギーだ。
生成AIや大規模モデルの運用には膨大な電力が必要となる。
CES 2026では、再生可能エネルギー、蓄電技術、さらには原子力を含め、AI時代を支えるエネルギー基盤が重要テーマとして扱われている。
CESの性格が変わりつつある
今年のCESを歩くと、消費者向けガジェット展示会という従来のイメージは薄れつつある。
代わりに浮かび上がるのは、AIを中核にした産業総合展という姿だ。
CTA側も、CES 2026を「技術が社会に組み込まれる転換点」と位置づけている。
結論はシンプル
これまでのCESが
「AIは何ができるのか」を問う場だったとすれば、
CES 2026が示した問いはこうだ。
👉 AIは、もう現場で働けるのか。
その答えは、展示フロアのあちこちで、すでに動き始めている。